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狂犬病が日本で再流行する可能性はある

(この記事は医心伝心からの転載です)

狂犬病は発症すれば致死率ほぼ100%という恐ろしい病気です。近年、日本国内での患者の発生はありませんが、世界では今なお狂犬病が流行しています。

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世界的に感染者は多く、WHOの報告によれば全世界で毎年3万5000〜5万人が狂犬病によって死亡しているといわれています。

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日本でも過去には狂犬病の流行がありましたが、1957年を境に国内での患者は発生していません。検疫を強化し、イヌへのワクチン接種を徹底するなどして根絶することができたのです。もちろん、根絶に成功したのには島国であることも幸いしました。

狂犬病ウイルスは、イヌのみならず、あらゆる恒温動物に感染します。キツネ、アライグマ、コウモリなど多彩な動物が感染源になり得ますが、とくに大陸諸国ではこれら野生動物から狂犬病ウイルスに感染した動物を駆逐することは難しいようです。

では、島国である日本では今後も狂犬病の心配はないかというと、そんなことはありません。日本でも再び狂犬病が流行する可能性は十分にあります。

今後の日本は、財政破綻・失業率の増加・犯罪の増加・異常気象など・・・社会の混迷が増していく要素がたくさんあります。原発震災のような社会機能が麻痺してしまう大災害が起こる可能性もあります。

狂 犬病の流行を防ぐにはイヌへの予防接種を徹底することが不可欠ですが、社会の混乱で人間が生きて行くだけでも精一杯の状況になれば、イヌの予防接種のこと などは後回しになってしまうかもしれません。生活苦から故意に、あるいは災害時の混乱などで不可抗力的に、飼い犬が捨てられ野犬化するかもしれません。

そして、野犬が増えれば、その野犬の間に狂犬病が流行するという負の連鎖も発生します。実際のところ、過去に東京では関東大震災による混乱で野犬が増えたために、それまで減少を続けていた狂犬病の発生件数が一時的に激増したといいます。

ま た、野犬が増え、イヌへの予防接種率が低下すれば、わずか数頭の感染動物が持ち込まれただけでも、大規模な流行を招きます。1997年まで狂犬病の発生が 無かったインドネシアのフローレス島は、3年後には全島に流行が拡大していましたが、その発端は漁師の船に乗って持ち込まれたたった3頭のイヌでした。

現在は検疫によりチェックされていますが、密かに感染動物が持ち込まれることも考えられます。世界的な気候変動によって発生する大量の移民が日本へもやってくるでしょうが、彼らに紛れて狂犬病に感染したイヌや野生動物が流入してこないとも限らないのです。

狂犬病は日本にとっても決して過去の病気ではなく、今後深刻な脅威をもたらす可能性のある疫病だという心構えを持っておくべきでしょう。

 

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